桜井なおみさん~Innovation for NEW HOPEへの想い~

桜井なおみさん~Innovation for NEW HOPEへの想い~

日本で最先端の治療法が一日でも早く、継続して届く社会の実現のために、発足したこのInnovation for NEW HOPEプロジェクト。6名の発起人に、現在の取り組まれていることと、それに至った背景についてお伺いするとともに、このプロジェクトにかける想いをお話いただきました。今回は、一般社団法人CSRプロジェクト代表理事の桜井なおみさんです。
インタビュー実施日:2024年3月14日

Q. これまでの経歴と、現在取り組まれていることについてご紹介ください。 

私はがんの体験者です。今もがんの患者さんのサポート活動をずっと続けています。自分が病気をした時のがんの世界は、ドラッグ・ラグといって薬が本当に手に入らなかった時代でした。そのようなときに、薬をもっと適切に使えるようにと、患者さんたちがいろいろな活動をしていました。同時期に、まさに自分が病気をして、その活動に一緒に参加して今に至っています。 

当時、私たちが声を大きくしていけば、なんとなく届いた感じがありました。でも今、私たちが遭遇しているのは、ドラッグ・ロスといって薬自体がもうない、日本に入ってくる見込みがない状況になっており、これは「何とかしてくれ」と拳を上げていっても全然ダメ、解決できません。押したりパンチしたりするのではなく、それより「社会にこういう問題があるんだよ」ということを語りかけて、「一緒にこの問題を解決してほしい、どうしたらよいのだろうか」と、みんなを引き込んでいかないといけないと思っています。


Q. 医療に関するマルチステークホルダーや多様な人たちが集まって議論をする場であるInnovation for NEW HOPEにどのような期待をしますか?

最初にInnovation for NEW HOPEでいいなと思ったのは、社会に語りかけて一緒に対話をしながら考えていこう、アウトリーチしていこうと思っているところです。やはり、その背景には薬の値段とか、いろいろな社会環境的な問題がたくさんあります。日本の人口構成を考えると、未来が明るいというより、結構暗い部分もあると思うので、次の世代の人たちが解決していかなければならないテーマでもあります。そこを今の時点で一緒に考えられるというのがいいなと思っています。

どれだけ新しい技術、医療があったとしても、それらへアクセスできなければ、根本的な解決につながりません。治療という希望をどこにいてもみんなが使えるようにアクセスできるようにするには何ができたらよいのか、この活動を通じて一緒に考えていければいいなと思っています。

Q.患者さんや学生さんといったいろいろな人と活動されていると思いますが、一緒に活動する仲間との出会いや学びのなかで、何か印象に残っていることはありますか?

「他者への気づき」は、やはりあります。どうしても病気は疾患ごとで分かれてしまいます。がんでも乳がん、胃がん、○○がんと分かれてしまうことや、反対に「がん」と一括りにされることもあり、難病は難病、希少疾患は希少疾患というように、それぞれが分かれてしまうところがあると思います。今回、いろいろな患者さんや家族、周りの人たち、研究者の人たちと出会えて、いろいろな話ができるというのが自分にとっても良い刺激になっています。

Q.Innovation for NEW HOPEの活動のなかで得た、新たな発見はありましたか?

「治療のゴール」は、人それぞれいろいろあるということです。あと、社会の仕組みですね。社会の仕組みづくりは、一人一人が研究や専門的な活動に携わっていなくてもできることなので、みんなで一緒に考えていけたらいいのだろうというのは気づきでした。

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